還元のまた還元

※本稿は事業経費の支払いではなく家事消費の話です。

セブン&アイグループにはセブンカードと電子マネーnanacoがあります。
イオングループにはイオンカードと電子マネーWAONがあります。

どちらもクレジットカードは年会費無料で、系列店での特典があります。
ただし、系列店以外で利用したときのポイント還元率は低めです。
そして、利用で貯まったポイントを同系列の電子マネーに交換できます。

一方の電子マネーも利用金額に応じてポイント還元が受けられます。
クレジットカード利用で貯まったポイントを交換したものでも同様です。
つまり、ささやかながら利用金額の還元が二重に発生します。

また、電気/ガス/携帯電話などのポイントから交換できる仕組みもあります。
(詳しくは契約先の会社のホームページなどで調べてください)
セブン&アイ、イオンの系列店を多く使う人には一考の価値があります。

電子マネーには一定の制限もあります。
・利用できる店舗がクレジットカードより限られています。
・チャージ限度額があります。
・原則として現金には戻せません。
・ポイント交換に煩雑な手続きが必要な場合もあります。

ポイント還元率はそれぞれ変動します。
高還元率セールを利用した買い貯め/買い置きも一種の節約です。
(使用期限の問題がないもの、特価にならないものがおすすめ)
新興のなんとかペイよりも身近で使いやすいのではないでしょうか。

※本稿は何らかのサービスの勧誘または中傷ではありません。

国民健康保険も組合に加入できれば安く?

国民健康保険には市町村で扱うもののほか国民健康保険組合という制度もあります。
一般に組合のほうが市町村より割安ですが、加入するには条件があります。
フリーランスでも加入できる主な国保組合は以下の3つです。
・文芸美術国民健康保険組合
職種:文芸、デザイン、イラスト、写真、書道など
その他の条件:特定の団体に加入していること
・京都芸術家国民健康保険組合
職種:工芸、音楽(ピアノ講師を含む)、ウェブデザイン、翻訳(芸術に関するもの)など
その他の条件:京都を初めとする特定の市町村に住民票があること、フリーで加入の場合は「京都芸術家協会」に加入すること
・大阪文化芸能国民健康保険組合
職種:タレント、音楽家(ピアノ講師を含む)、各種商業デザイン、写真、ライター、翻訳、将棋、囲碁、茶道、華道など
その他の条件:大阪を初めとする特定の市町村(関東でも東京、横浜など一部地域は対象)に住民票があること、組合員の紹介があること
他に理美容や個人飲食店でも都道府県によっては国保組合があります。
住所地に制約条件のない人は関西圏での生活を検討する価値があるかもしれませんね。

医療費負担の上限

入院沙汰になったら国民健康保険窓口に「限度額適用認定証」を申請、と覚えておきましょう。
国民健康保険では医療費のうち30%が自己負担となっていますが、負担額には毎月の上限があります。
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出典:厚生労働省の高額療養費制度説明PDFより抜粋
たとえば年間所得210万~600万円の人が医療費を月に100万円払った場合で8万7430円です。
100万円の30%つまり30万円との差額21万2570円は「高額療養費」として支給されます。
市区町村の国民健康保険窓口または国民健康保険組合に請求します。
高額療養費の支給を受ける権利は、診療を受けた月の翌月の初日から2年間あります。
多額の医療費がかかった月から2年以内であれば請求できるということです。
また、この場合の医療費は生計が同一の家族の分を合算できます。
ただし食費、居住費、差額ベッド代、先進医療にかかる費用は対象外です。
この部分と自己負担分を民間の保険でカバーできればよいということになりますね。
高額療養費の支給は審査などのため原則では受診した月から3か月以上かかります。
つまりいったん30%を支払って還付を待つことになりますが、例外もあります。
「限度額適用認定証」を取得すれば、支払う時点で上記の負担額上限までになるというものです。
限度額適用認定証は市区町村の国民健康保険窓口または国民健康保険組合に請求します。
紛らわしいですが医療費控除とは別の制度ですので、負担した医療費の申告もお忘れなく。

地下鉄の一日乗車券(大阪編)

大阪市営地下鉄にも一日乗車券があり、自動券売機で購入できます。
地下鉄だけでなくニュートラム、市バスも全線が1日乗り放題です。
ニュートラムは大阪港近辺の短い路線で、地下鉄の中央線と四つ橋線が乗り入れています。
大阪(伊丹)空港からはリムジンバス片道がセットのITMビジネスきっぷも便利です。
こちらは有人窓口でしか購入できませんが、羽田空港の案内所でも取り扱っています。
関西空港からは「関空特急ラピート」片道がセットのようこそ大阪きっぷが利用できます。
関西の私鉄各社で購入できる大阪周遊パス拡大版は各私鉄1社分の全線一日乗車券がセットなので旅行者でもない限りあまり割安感はありません。

地下鉄の一日乗車券(東京編)

年に数度だけ都内に出かける人は、都内での用事を1日にまとめて済ますのが合理的です。
そんなときに役立つ東京メトロ(旧営団)都営地下鉄の一日乗車券はご存じでしょうか。
東京メトロ・都営地下鉄の両方を利用するなら共通券もあります。
いずれも自動販売機で購入でき自動改札を出入りできるので煩わしさがありません。
なお都営地下鉄の一日乗車券「都営まるごときっぷ」は都バス、都電荒川線、日暮里・舎人ライナーも利用できます。
東京までの交通手段が飛行機の場合、羽田空港で京急線もセットになった切符が買えます。
・都営地下鉄だけで用が足りるときは東京トラベル1DAY&2DAYパス
・都営とメトロの両方を利用するときは京急羽田・ちか鉄共通パス
また、東京メトロと直通運転のある私鉄各社にも自社線往復+メトロ一日券のセットがあります。
東葉高速線東急線西武線小田急線東武線の各駅で購入できます。
都営地下鉄も同様にセット券のほうが単純に積算したものより割安です。
・京王線、東武線、つくばエクスプレス線の各駅で発売のTOKYO探索きっぷ
・京急線の各駅で発売の東京1DAYきっぷ
時間に余裕があるときなら、「都営まるごときっぷ」やそのセット券だけでも十分に便利です。
とは言え節約できる金額そのものはせいぜい数百円なので、飽くまで便利さを優先しましょう。

旅費より高い交通費

包括旅行運賃/IT運賃という言葉をご存じでしょうか。
旅行会社を通じて交通と宿泊を手配した場合に適用される割引運賃の一種です。
たとえば羽田-伊丹往復の航空便と大阪新阪急ホテルを11/1-2日の1泊2日、大人1人で手配すると
全日空「旅作」ではシングル素泊まりで21600円~となっています。
一方、同じ全日空で航空便のみを手配すると片道で11490円~、往復換算22980円~です。
大阪新阪急ホテルがいくらかを気にするまでもなく1泊したほうが安くなっています。
同様のツアーは他の航空会社やJTBなどの旅行代理店でも利用できます。
「フリープラン」をキーワードに検索するとよいでしょう。
安いには安いなりの注意点もあります。
契約上パッケージツアー(団体旅行)となるため、旅程の変更ができません
利用便の出発前でも変更できないため、計画には十分な余裕が必要です。
ツアーによっては往路と復路の利用駅/空港を変えられるものもあります。
また、1泊3日や1泊4日といった手配もできます。
包括旅行運賃の適用条件が国内では「往復の交通+1泊以上」が条件のためです。
初日だけパッケージに含まれる施設で泊まれば復路出発はある程度ずらせます。
ちなみに海外ツアーでも同様の仕組みはありますが、適用条件が目的地により異なります。
海外ツアーだと最低2泊は含める必要があるようです。
面倒がらずにツアー条件を確認してみましょう。
領収書の但し書きは「運賃および宿泊費」などにしてもらえます。
単独では経費に計上できない朝食代も朝食付きプランを選べば問題ありません。
時間に余裕が見込める出張や個人旅行には「フリープラン」も一案ではないでしょうか。

街の生活コスト

どこに住んでいてもできる仕事であれば、住む場所によって出費を抑える選択肢もあります。
都会より田舎のほうが安いはずですが、大都市同士を比較するとどうなるでしょうか。
ここでは住居を借りると仮定して全国の政令指定都市を見てみます。
総務省統計局統計調査部国勢統計課の公表しているデータによると、2013年現在、平均賃料が最も高いのは東京23区で8万9322円、最も安いのは北九州市で4万4461円です。
総じて関東の都市では高くなっています。
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いっぽう、総務省統計局の家計調査(1世帯当たり年平均1か月間の収入と支出)で同じ2013年を見ると、最も高いのは同じく東京23区で23万2728円ですが、最も安いのは熊本市で17万545円です。
なお、この数字は「消費支出(除く住居等)」のデータを引用しています。
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かなり強引ですが、上述した2つの値を単純に合計して降順に並べてみたのが下のグラフです。
やはり総じて関東が高く、他地域では大阪でも東京の80%とだいぶ割安感があります。
関東の中では千葉だけが低水準になっています。
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ここまでのデータだけで地方都市がお得だとはもちろん断言できません。
たとえば旅行や出張の機会が多ければ新幹線や飛行機のアクセスも気になるところです。
飽くまで個人の価値観、ライフスタイルに照らして選んでこそ合理的と言えるでしょう。

仕事用の電話

近年は携帯電話しか使っていないという人も多くなってきました。
通信料金のうち何割かを家事按分で経費に計上すれば十分という人も多いでしょう。
一方で信用上の安心材料として固定電話を引くという需要もあります。
携帯電話(スマートフォン)2台を使い分けている場合もあるかもしれません。
固定電話や2台目を使う目的が番号取得だけであれば、番号だけ増やすという選択肢もとれます。
また仕事と私用で番号を分ければ按分比率に悩む心配もありません。
ここでは物理的に電話機を増設せず回線を増やす方法をいくつか紹介します。
・バーチャルオフィス専用の電話番号
050などで始まるIP電話のこともあれば、03や045など物件所在地の番号のこともあります。
いずれにせよバーチャルオフィス宛の電話は個人の電話に転送されるのが一般的です。
電話秘書サービスとセットで自動的には転送してこないサービスもあります。
・スマートフォン向け03/045番号
市外局番が03または045の番号については、電話番号そのもののレンタルサービスもあります。
レンタル事業者と契約してスマートフォンの専用アプリで利用するというものです。
基本料金はかかりますが、利用頻度によっては1000円/月で済む場合もあります。
発信料金が03または045の固定電話からと同額になる点がユニークです。
・スマートフォンのIP電話アプリ
050で始まる番号でよければLaLa CallViberなどのアプリという選択肢もあります。
基本料金がかからず、通話料金も低めに設定されています。
ただしユニバーサルサービス料金(1回線あたり数円)はかかるようです。
上記いずれも、スマートフォンがデータ通信のみの契約でも電話として使える利点があります。
通信容量1GBでおよそ70時間の通話(発信・着信合計)ができるそうです。
ただし仕組みとして通常の固定電話とも携帯電話とも異なるため、音質はそれなりです。
無料のアプリで試してみて納得してから本格的に利用することをおすすめします。

合理的な仕事場(3)賃貸オフィスなど

仕事場専用として部屋を借りるなら、レンタルオフィスという選択肢もあります。
初めからデスクや回線が揃っているので、マンションなどを借りるより仕訳はシンプルです。
マンションなどを借りて仕事用の家具類を購入すると、その家具類を資産に計上することになります。
業種や職種によっては、デスクではなく応接室が必要な場合もあります。
カフェでは話しづらい内容の打ち合わせが多い人は会議室、ラウンジを借りてもよいでしょう。
物件によっては固定の月額料金がなく実費の都度払いができる会員制度もあります。
全国を飛び回る仕事で各地に拠点がほしい場合、一部バーチャルオフィスも考えられます。
サーブコープリージャスなどの大手では、契約した以外の都市にある施設も利用できます。
サービス内容そのものだけでなく契約期間の単位なども物件により異なり、万人向けの最適解はありません。
自分がオフィスに求める機能、オフィスを使う時間や頻度などを洗い出して検討しましょう。

合理的な仕事場(2)いわゆるノマド

パソコンとインターネットさえ使えれば「ほぼ」どこでもできる仕事の人も多いかと思います。
「ほぼ」と言うのは他にも個別の条件があるからにほかなりません。
他人の個人情報や機密情報を扱うので第三者の目にふれたくないときなどです。
ともあれ最低限の条件は落ち着いて作業できることと電源が取れることではないでしょうか。
都市部にはコワーキングスペースと呼ばれる仕事場の共有できる施設があります。
机、電源、インターネット接続が利用できますがデスクからカウンターまで形態はさまざまです。
利用料金は月額契約のこともあれば、ドロップイン(一時利用)ができるところもあります。
前者は当然「地代家賃」に計上できますが、後者も「雑費」に計上して差し支えありません。
私本人は「雑費」の下に「施設利用料」という補助科目を作って計上しています。
外出時に時間調整も兼ねて仕事をしておきたい場合などは一部の飲食店も選択肢に入ります。
ただし1人で作業をするために入った場合の飲食代は交際費には計上できません。
上記「施設利用料」に類する仕訳が通る場合もあるようですので、気になる方は税理士に聞いてみては。
打ち合わせなどではなくパソコン作業に使える飲食店を最寄り駅や住所などから探せるサービスもあります。
コワーキングスペースや空港ラウンジなどの情報も載っていて外出時に便利です。