合理的な仕事場(1)自宅での就業

フリーランスで自宅の一部を仕事場にしている人は多いかと思います。
仕事場で使っている/仕事場にかかっている費用は事業経費として計上しているでしょうか。
電気料金、プロバイダ料金、電話料金などです。
これに加えて賃貸住宅の場合は家賃と管理費、持ち家の場合は維持費用(注)が按分できます。
(注)持ち家の維持費用:固定資産税、住居の減価償却費、住宅ローン金利、火災保険料など
按分の方法としては、面積によるものと時間によるものがあります。
たとえば一室を仕事場として使っている場合、その部屋の面積を住居全体の面積で割ります。
水回りやリビング、寝室などは経費計上の対象から除外するためです。
ワンルームマンションなど除外が難しい場合は、業務時間を24で割るという方法もあります。
いずれもあまり極端な数字にするとあらぬ疑いを招きますのでご注意ください。
注意点として、住居の事業で使用する割合については住宅ローン控除を受けられません。
また、住宅ローン控除はそもそも居住用途の物件に対する控除です。
事業で使用する割合が50%を超えると控除制度の対象外となります。
反対に10%以下であれば住宅ローン控除を100%居住用として受けられます。
すでに住宅ローン控除を受けている場合は経費計上しないほうが得になるかもしれません。
また住居の減価償却費は取得の時期によって計算法が異なります
旧定額法定額法建物の耐用年数ともども国税庁のサイトで説明されています。

支出による収入

マイナス金利政策が敷かれるほどですから、預貯金利息は収入として期待できません。
1年定期でもせいぜい年利0.220%です(カカクコム調べ)。
さらに20.315%(国税15.315%(復興所得税含む)、地方税5%)の税金がかかります。
1万円を1年預けて(引き出せない条件で)16円ももらえないということです。
一方でクレジットカードには一般にポイント制度があり、利用金額の一部が還元されます。
カードによっては還元率が数%に及ぶものもあります(カカクコム調べ)。
しかも現状こうしたポイントは課税されていません。
なお、カードの入会審査では年収として前述した「年収A」の数字を使いましょう。
フリーランスの場合クレジットカードの入会を断られることもあります。
無理に審査の甘さを謳う会社を探すよりも、デビットカードに目を向けてみましょう。
たいていの場合クレジットカードと同様に利用でき、即時決済で便利です。
デビットカードは単なる決済手段であり融資契約ではないのでほぼ確実に作れます。
発行元の金融機関によってはデビットカードでもポイント還元やキャッシュバックがあります。
年会費の有無など各社で違いがあるため、興味のある銀行名で調べてみてください。
話は少し逸れますが、デビットカードは海外旅行でも便利です。
カードブランド(ViSA、MASTERなど)に対応した任意のATMで出金できます。
空港などで現金を両替するより為替手数料が割安なのも魅力です。
また経費性の出費の場合、即時に日本円換算で引き落とされるため記帳の手間も省けます。
事業用支出をデビットカードにまとめると、仕訳が楽になるのもメリットと言えるでしょう。
現金を持ち歩く必要もなく、「現金」や「事業主貸」仕訳をする手間が省けます

スマートフォンの通話料圧縮

いわゆる「格安SIM」の弱点として、携帯電話大手3社より通話料が割高になる場合があります。
大手が扱っている通話し放題プランは「格安SIM」サービスにはあまり普及していません。
日常的に発信通話の時間が長い、頻度が高い人なら大手の方が全体として割安になり得ます。
いっぽう、在宅家業で固定電話も使えるといった場合、通話し放題プランの必要がありません。
私の場合、携帯電話(スマートフォン)はほぼ着信専用です。
スマートフォンから発信する通話料は毎月100円ほどしかかかっていません。
普段はスマートフォンから発信することがほぼない人でも、旅先では得てして頻度が上がります。
海外旅行が趣味の友人は、旅先から家族への連絡だけで1万円を超えたこともあるそうです。
事情を聞いてみると、国際ローミングを使ったせいでした。
スマートフォンにSIMロックがかかっているため現地SIMが使えなかったのです。
また海外では電話の受信にも通話料がかかります。
こうした一時的な出費対策に「LINE Out」を提案したところ、かなり驚かれました。
モバイルルーターを利用すればデータ通信に国際ローミングを使う必要はなくなります。
データ通信が使えればLINE Outも使えるので、国際ローミングを経由せず通話できます。
もちろん国内では特にモバイルルーターを使う必要もありません。
海外での節約に応用する場合、発信専用のサービスである点に注意が必要です。
国際ローミング着信をすぐ切って折り返すのが気になる人はこの手法をやめておきましょう。
通話音質と安定性の保証はないようですが、こだわりがなければ有力な選択肢だと思います。
利用条件については「LINE Out」公式サイトをご参照ください。

スマートフォンを「格安SIM」にすると

近年、「格安SIM」や「MVNO」と呼ばれるサービスが普及してきました。
こうしたサービスの詳細はともかく、興味の焦点は結局いくら安くなるのかだと思います。
具体的な金額は場合によって異なるので、ここでは一例を見てみましょう。
・端末: iPhone 5 16GB→ iPhone 6s 16GB
・通信容量: 3GB
・通信事業者: au → mineo (Dプラン・デュアルタイプ)
・備考1: auの契約は13年目、「誰でも割」(いわゆる2年縛り)2018年4月まで
・備考2: SIMフリーのiPhone 6sはAppleの定価で購入
この条件で2年間の累計金額(端末代金、通信料、諸手数料を含む)は図のとおりになります。
fig02.png
諸手数料にはMNP転出手数料、解約料、新規契約の事務手数料を含みます。
通常auの解約料は10000円ですが、契約期間が10年を超える場合3000円となります。
auの料金プランは「スーパーカケホ」と「データ定額3GB」で試算しています。
赤の「契約継続」はauで機種変更し、2年間そのまま使い続けた場合です。
緑の「SIMロック解除」はauで機種変更し、180日後にmineoへ転出した場合です。
黄の「解約料0」はauで機種変更し、解約料が0の月まで使い続けた場合です。
青の「SIMフリー」は即時SIMフリー端末を購入しmineoへ転出した場合です。
この例ではauで使える割引をすべて適用しているため、端末代金は445円/月です。
解約時には分割払いの残額を清算するため一時的に出費が大きくなります。
たとえば緑の場合、7か月目に42110円を返済するため単月の出費が52620円になっています。
一度に端末資金を用意できるのであれば、SIMフリー端末を早く買って転出するのがお得です。
auのポイント残高が多い場合は機種変更して半年後に転出するほうが得な場合もあります。
いずれにせよ、単純比較した場合、解約金にこだわるのはあまり得策ではありません
ただしau、docomo、Softbankで使えるサービスには他社では使えないものもあります。
各社独自アプリなど、転出を検討する際には改めて確認してみてください。
また、10GB/月を超える通信容量を使いたい場合は転出しないほうが無難です。
どうするのが得になるのかは状況により異なりますので、本項は参考にとどめてください。